進む山口の要塞化:空自、中国の宇宙空間での軍事行動対策として山口に新型レーダー設置へ。




人類を火星に運んだりロケットでNYー東京間を数十分で結んでみたりと未来に生きている感丸出しな最近のアメリカだが、そんなSFの世界がこの日本でも現実に見え隠れするようになってきた。しかしそれは、「軍事」というよりシリアスな側面からだった。




防衛省は日本の人工衛星を妨害する恐れのある中国の衛星破壊兵器を念頭に、それに付随するスペースデブリなどを監視する新たなレーダーを山口に構築する事が判明した。レーダー情報を基に情報を解析するのは市ヶ谷の可能性があるという。


まず頭に浮かぶのが、2007年に中国が自国の気象衛星『風雲1C』に対して行った衛星破壊実験。ミサイルは見事に命中し、史上最悪レベルの大量のデブリを放出した事は記憶に新しい。



2007年に破片デブリの数が急上昇していることが分かる


また近年中国は米国のTHAAD(高高度防衛ミサイル)に対する危機感を強めており、これに対応するミサイルを開発中。

また別の問題として、中国の宇宙ステーション『天宮1号』がソ連のミールよろしく大気圏に再突入する事が決まっている。時期は2018年1月。






危機感を募らせるのは自衛隊だけではない。JAXAも重要な衛星『つばめ』を29年度に打ち上げ予定であり、高度300km以下という超低軌道を周回し続けるため標的とされる恐れもある。



つばめ(SLATS) | 人工衛星プロジェクト | JAXA 第一宇宙技術部門 サテライトナビゲーター http://www.satnavi.jaxa.jp/project/slats/index.html


さらにこの『つばめ』、イオンエンジンによる飛行予定期間は2年。米軍のX-37Bのようなスケジュール感だけに、緊張感が続く運用となりそうだ。

なお本レーダーでは、自衛隊とJAXAがデータの共有を進めることが検討されている。


戦略的重要性が増す山口県


場所に関しては、旧海上自衛隊の通信施設があった『海上自衛隊 山陽受信所跡地』となるようだ。



さらに山口県には陸上自衛隊施設に『イージス・アショア』が建設される事も決定しており、『目』の役割とともに『盾』としての役割もあることからその重要性は増大している。




開発元ロッキード・マーティンの分かりやすい解説動画



また山口県の見島には航空自衛隊の低RCSステルス機対策のレーダーサイト『J/FPS-7』の建造も決まっている。今後の山口県が日本の戦略上、非常に重要となってくる事は明らかだ。


防衛省概算要求資料より






参考文献:
山口に宇宙監視レーダー、中国兵器対策 防衛省、月内にも地元へ打診
http://www.sankei.com/smp/politics/news/171104/plt1711040007-s1.html

陸上型イージス、秋田・山口に配備…政府調整 : 読売新聞
 http://www.yomiuri.co.jp/politics/20171111-OYT1T50028.html?from=tw

(2017/11/11閲覧)


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