世界から注目される日の丸飛行機は「軍用機」だったー自衛隊史上最大の飛行機『C-2』



川崎と三菱、どこで明暗は分かれたのだろうか。

ウン十年ぶりの夢の日の丸飛行機プロジェクト『MRJ』は死産が噂されて久しい。
一体なぜこんな事に・・・誰もが頭を抱える案件である。

関連記事:ほぼ失敗が確定してしまったMRJ。三菱は何を見誤ったのかー
https://ktau-ktsc.blogspot.com/2017/01/mrj.html

一方、川崎重工業の新型軍用輸送機『C-2』が海外での受注を目指しているとの噂は、実はそこそこ多い。今回は米国での販売といった話であるが、その実現性は非常に不透明だ。


Kawasaki C-2 Primed For U.S. Military Airlifter Market http://aviationweek.com/awindefense/kawasaki-c-2-primed-us-military-airlifter-market


話としては、C-130とC-17の中間用途としてのC-2ということらしい。C-2は現代日本が開発した飛行機の中では最大の期待となる。

しかし、同じく開発中の双発中型輸送機のエンブラエルKC-390はC-130クラスのやや小柄ながら既に代替案として、南米などの国から多数の受注を取っている。この機の魅力はコストだ。

また難産となっているエアバスのA400Mも、何だかんだ言って欧州各国の大本命であることには変わりなく、しかしそれでも性能点から考えると・・・という国も有るだろう。そしてここに来て日本の情勢も変わり対外輸出も積極的に、となると、中型輸送機市場はまさにカオス化がより進む部門となってきている。

肯定的に捉える点としては、エンジンが安定した米国製だということ。そして高速性能も比較的アピールし易い。
他方、サポートや販売実績が大きなネックになるのは明らかで、アジア地域に至っては対中政治工作なども絡んでくる。

とは言え、まだ何もわからないといっても過言でないほど初期段階にあるC-2。ELINT改造した試作2号機が飛行予定だが、それでもまだ未知数。あまり真に受けず、しかし将来的には日本も普通の先進国として輸出事業は見据える必要がある。


UAE


アラブ首長国連邦は空軍の近代化を推し進めており、その一環として新型の輸送機を模索。日本側も官庁としては積極的に売り込みたい意思が海外のカンファレンスなどで鮮明になって来ている。現在二国間で交渉中とのこと。ただし、UAEはイエメンで軍事行動を行っておりこれが日本の法並びに世論に影響がでるかもしれないとの見方もあり、かなり不透明度の高い内容となっている。


UAE reportedly lining up Kawasaki C-2 buy
http://www.janes.com/article/73424/uae-reportedly-lining-up-kawasaki-c-2-buy

ニュージーランド

ニュージーランドでは現在C-130とボーイング757の置換が進められようとしており、エアバスはすでに強力なロビー活動を展開中だとか。NZの要求としては南極までの3800km往復分をカバーするということで、C-2の航続距離は魅力的なようだ。さらにはニュージーランドでも活躍中のP-3C退役時は川崎のP-1をも売り込みたい思惑があるようだ。
ニュージーランドは他国へヘリを輸送する手段が無く、その事からC-17クラスの輸送機を欲していたという事情がある。

C-130は回収を続け、少なくとも2025年までは使用されるようだ。
>The aircraft have undergone a modernisation and structural improvement programme to ensure that they last until 2025.
http://www.airforce.mil.nz/about-us/what-we-do/aircraft/hercules.htm

ニュージーランドは2030年にも新機種を導入する予定。




Will the Air Force buy Japanese? | Politik
http://politik.co.nz/en/content/foreignaffairs/980/Will-the-Air-Force-buy-Japanese-Defence-capability-Brownlee-procurement-Japan.htm


アメリカに外国中型戦術輸送機が採用されたケース


C-27A/J スパルタン


photo:wikipedia

イタリアの現・巨大軍産複合体レオナルド社の子会社アレーニア・アエルマッキ(旧アレーニア・アエルマッキ)が1999年に初飛行させたペイロード12tのターボプロップ輸送機だ。アメリカには20機以上採用され、本国12機に対し世界全体では60機近く採用予定だ。


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