【博物館】シアトルにあるボーイング工場見学ツアー付き博物館『フューチャー・オブ・フライト』レポ



今、地球上で最もアツい場所は何処かと聞かれたら、

シアトル

と答える人が結構いるかも知れません。

アメリカ合衆国ワシントン州最大の都市・シアトル。ノースウエストを代表する都市でもあり、マイクロソフト・アマゾン・エクスペディア・VALVEなどのIT企業からスターバックスやコストコなどのお店の発祥もこのシアトル近辺。最近は宇宙新時代の雄、スペースXもシアトルに工場作るとかなんとかで、かなりキテいるのです。

そしてご存知世界最大級の航空宇宙会社であるボーイング発祥の地でもあります。
そこには文字通り世界最大の建物、ボーイングの飛行機組み立て工場があるのですが、
この工場なんと見学出来ます!しかもボーイング専門の博物館も併設。

ハッキリ言って、飛行機好きならわざわざこのためだけにシアトルに行く価値はあります。


こんな人にオススメ!
・世界最大の飛行機工場をこの目で確かめたい!
・昔のボーイングのロゴにビビっとくる。
・本物のコックピットに座って誰にも邪魔されること無く計器をいじりたい。

ボーイングの博物館『フューチャー・オブ・フライト』


まず入り口からはいると、歴代ボーイングの機体が受付まで導いてくれます。
チケットはもちろんオンライン購入が可能なので、現地では端末に情報を入力するだけで発券されます。なので英語が苦手な人でも大丈夫です。建物は新しいです。

値段:ボーイング工場ツアーと博物館のセットで大人$20博物館オンリーなら$10です。安い。

公式サイト
http://www.futureofflight.org/


メインエントランスは非常に開放的な作りになっており、天井には何故か万国旗。
ボーイングが商品を納入している国々でしょうか。
また、超人気スポットという訳でもないので、全体的に空いています。(閑散としています)


ワシントン州エヴェレットはシアトルから車で数十分。といってもフリーウェイI-5をただ北上するだけなので、何も考えなくてもたどり着くことが出来ます。また、シアトルからバスで行くことも可能です。
エントランスの地面にはボーイング工場を含むボーイングフィールドの全体像。

工場見学について

先に少し触れておきますが、この博物館は『ボーイング工場見学ツアー』のついでで訪れる人がほとんどです。実際に飛行機が生産される様子を見る前に見学するのも良いですしが、工場を観た後にじっくりと観察してお土産を買うのも良いかもしれません。

工場見学ツアー自体は非常に興味深いです。
英語オンリーなのでリスニングが出来ないとツアーガイドの冗談が理解できず、悲しい気持ちになりますが、見学する上では問題ないです。保安上、一切の電子機器の携行が出来ませんが、己の目で全てを脳に焼き付ける気持ちで行くと感動します。
とにかく建物がデカい!基本的に工場2階?のキャットウォークから工場を眺める形になるのですが、工場の反対側が霞んで見える程広く、長いです。また、様々な生産過程を見るためかなり歩きます。これがまた探検のようで非常に楽しい。
超圧倒的巨大構造物の内部にいるのに通路が結構狭い、という謎の矛盾に人類の偉大さを感じずにはいられないでしょう。

展示エリア


さっそく展示エリアを見てみましょう。
ここに展示されているのはほぼ100%ボーイングの機体ですが、その多くが非常に珍しい機体です。

例えば↑この機体『EC-003』はボーイングの先進のテクノロジーで作られた「燃料電池飛行機」です。正式名称はThe Boeing Fuel Cell Demonstrator Airplane (FCDA)で、オーストリアのHK36 Super Dimonaを改造、概念実証機として飛行させました。現在、計画は凍結されているようですが、機体はバッチリと展示してあります。



機首のプロペラ付近にはエンジンの代わりに電池のセルがギッシリ。まさに将来の飛行機といった雰囲気です。青いダクトは冷却系でしょうか。







NCA(Nippon Cargo Airlines)こと日本貨物航空の機体も展示されております。
モックアップ系は意外と多いです。


787猛プッシュ


筆者がこの「ボーイング フューチャーオブフライト」を訪れたのは2013年。
最新のB787"ドリームライナー"が就航してしばらく経っていたが、依然そのスター級の人気は衰え知らずだった。




目玉の一つであるエンジンもそこら中に展示。
ここではロールス・ロイスのTrent 1000が展示されています。


Trent 1000のカットモデルも展示。



青い光で装飾されており、なんともフューチャー感ある演出に好感が持てます。
係員は皆無に近いので、あらゆる角度から好きなだけエンジンを観察することが出来るのです。


垂直尾翼も何の前触れもなく展示されています。
隣には世界最大の飛行機工場、垂直尾翼の1枚や2枚、なんということは無いのでしょう。



もちろん、GE(ゼネラル・エレクトリック)のGEnxも展示してあります。
RRのエンジンと至近距離でじっくり比較できる機会もなかなかないですが、ここボーイング総本山ならではという感じです。

機材も充実


エンジンや機体構造だけでなく、内部の機材も色々と展示してありました。
こちらはビジネスジェットモデルのエグゼクティブモデルのモックアップ。
空間の使い方が豪華すぎますね。



ボーイングなのに、何故かEADSのファーストクラスシートが展示。
青を基調としたなんとも未来感ある配色です。


エンターテイメントシステムも展示してあります。


この機体なんだっけ!


若干放置気味ながらも、数ある展示機体の中でも特に目を引くであろう機体がありました。
独特のカナード、おおきなエンテ型の機体形状。翼面積の割合が非常に大きく見えます。


現代的なフォルムからジェット機と思いきや!双発のレシプロ機ではありませんか。

しかし!

残念ながら機体の名前がギリギリ隠れてしまい、詳細不明です!
現在調査中です!



尾翼は垂直に1枚のみ。かなりスッキリしたおしりです。
なかなか斬新なデザイン。


スッキリした特徴的なシルエット。
美しい飛行機ですが名前・・・


退役した大型旅客機もカットモデルとして新しい世代の教育に用いられています。



電子装備も結構そのままな印象。
如何に古い機材とは言え、間近で見るとその精緻さには驚きます。



主脚。


コックピットに入ってみましょう。ちなみにこの機体はボーイング唯一の3発エンジン機体・ボーイング727です。
そもそものお客さんが少ないので、気が済むまでコックピットにこもることが出来るのがこの博物館の良いところです。


計器類のスイッチもon/offし放題です。実際のクリック感を楽しむのも良いでしょう。
60年代から生産されている機体だけあり、内部はクラシックそのもの。



1983年に登場した自動生成された飛行機チケット。
これ以前は手書きだった、ということなのでしょうか。



最新の展示以外にも、昔の展示も意外と多いです。
昔の座席やチケットがそこら中に展示してあります。


シアトルではもはや定番なフライトジャケットも勿論販売されており、そのクオリティもなかなかの物です。B25とクラシックなジャケットのセットはもはや定番です。「所ジョージセット」といったところでしょうか。
このショップでは、なぜかクラシックなボーイングがプッシュされていました。



お土産屋では未完成スケールモデルから塗装済み完成モデルまで、様々なボーイングの機体が販売されています。筆者は胸にデカデカと「747」と書かれた青いTシャツを購入。肩にはボーイングのロゴ入りです。



子供向けのモフモフ飛行機なども充実しています。
そのほかにもボーイングらしく、製図用の精密定規、シャーペン、工具や文房具などが充実。硬派なボーイングらしいラインナップでした。全体的に渋め。

勿論、メインはボーイング工場見学なのですが、地味ながらも骨のある内容です。2時間もいれば十分なので、朝からツアーの場合はおそらく午前一杯で見学終了するでしょう。

そんな時は、ここに行くことをオススメします。

『シアトル航空博物館』

ここからは若干遠いですが、全米屈指レベルの非常に高レベルな航空宇宙博物館です。
全て見るにはまる1日かかります。勿論筆者は体験済みなので、後ほど記事をアップいたしますので乞うご期待。


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